生花・アーティフィシャル・プリザーブド、違いを知ってからブーケを選びたい人へ

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左はアーティフィシャルフラワー、右はプリザーブドフラワーのスズランブーケの写真です。

 

ウェディングブーケを探し始めると、
生花、アーティフィシャル、プリザーブドフラワーといくつも種類があって、
どれがいいのか迷いませんか?

どれも良さそうに見えるからこそ、
違いを知らないまま決めてしまうと、

当日なんだか違和感のままブーケを持ち続ける、

結婚式後写真を見て悔いが残る話を見聞きします。

この記事では、
それぞれの特徴を整理しながら、
「どんな場合に向いているか」という視点でお伝えします。

 

https://www.instagram.com/reel/DH8sWKZSaP_/?igsh=ZW8xd2dvNGt4NXFr

 

(左はプリザーブド、右は生花のバラのキャスケードブーケ)




1 アーティフィシャルブーケが向いている場合

アーティフィシャルフラワーとは、つまり造花のことです。


ただ近年はとても手の込んだ作りで、より本物らしく、種類も豊富です。その特徴はずばり、扱いやすさと手頃な価格です。

花びらに触れても折れたり変色したりせず、長期間そのままで保存できます。


制作や管理も簡単なので、作り手のデザイナーさんも多く、競争原理が働いて比較的安価なものもたくさん市場に出回っています。手先が器用な人は自分で手作りすることも可能です。

  • 前撮りと当日で使い回したい

  • 海外挙式や移動が多い

  • そのままの形で長くとっておきたい

  • なるべく予算を抑えたい

場合に、向いているブーケです。

大輪で色も鮮やかで、写真映えがするので

長時間持ち歩くロケフォトにお薦めです。


たとえばロケフォトで人気の国立博物館は、その性質上、造花ブーケしか持ち込みが許されていません。

(国立博物館でのロケフォト用造花ブーケ。

挙式では、生花の胡蝶蘭ブーケをお持ちくださった花嫁様が、

後撮り用にと同じ胡蝶蘭ブーケで、色違いで発注くださいました。

こちらが挙式の椿山荘での花嫁様写真です)

 

一方で、肉眼で見たとき、特に直接手で触れたときの質感は、かなり違いがあります。

というか、「あ、違うんだ」、と思う人が多いようです。

そして、そのひと目見ただけで

「自分にとっても違うな」という人と、

「いやこれはこれで好き!」と言う人と、

一瞬で、見事なまでに判断が分かれるので、

これはもう好み、感覚なんだろうと思う。

だからこそ、実際に見比べてから決めていただくと安心です。

 

こちらは「バンダ」、という名の、紫が印象的な蘭の一種のブーケです。

右が生花、左の小さいほうが造花(アーティフィシャルフラワー)です。

写真ではほぼ見分けがつかないレベルかと思います。

この花嫁様もどちらか迷って、

ご相談の上、一会で両方を仕入れて実際に見比べてもらいました。

で、テーブルにおいた瞬間、

「生花でお願いします」(0.05秒)ひと目で即決でした。

https://www.instagram.com/p/DRMqTMIiV5A/



しかし加工や準備のしやすさという意味では

アーティフィシャルフラワーが一番です。

こちらは、お嬢様のためにお母様がレッスンで手作りされたブーケ。


もし自分で作るのが不安でも、造花なら何度やりなおししても

それほど痛みませんし、私が手直しするのも簡単です。

 

事前に制作できて管理や保存、移動も楽なので

お母様や花嫁様が作る場合は、アーティフィシャルフラワーが

一番お薦めです。


北海道までキットを送って、

お母様といっしょに手作りされた花嫁様もいらっしゃいました。


2 プリザーブドフラワーブーケが向いている場合

プリザーブドフラワーは、生花の水分を油分に置き換えて

長期保存ができるように加工した花です。

もともとは生花を加工しているため、
色味や質感は、もともとプラスティックのアーティフィシャルフラワーとは、かなり違ってしっとり感があります。一輪ずつの花顔も異なり、より生花に近い風情があります。


生花と違って長く残すことができ、水やりの手間が不要で、軽く仕上げることができます。これまでの一会の花嫁様の話をざっくりまとめると、みなさま5年程度はそのまま普通に飾っておいている印象です。

大敵はホコリと直射日光、そして湿気です。そのためアクリル付きの保存ケースにいれるなどで、より長持ちしやすくなります。

https://www.flower-ichie.com/blogs/wedding_bouquet/20240612

生花のブーケが難しい状況で、だけど造花の質感が苦手という場合におすすめです。

こちらは八芳園花嫁様にお届けしたプリザーブドフラワーの紫のブーケ。

華奢に繊細に仕上げました。

 

  • 結婚式後もそのまま飾っておきたい

  • 生花の雰囲気が好き

  • 長時間のロケフォトや前撮りでも使用する

  • 生花ブーケより軽くしたい

などに向いています。

プリザーブドブーケの場合、お値段的には生花と同じくらいですが、メインにプリ、周囲に造花を使うことで、お値段の調整がしやすいのもメリットのひとつです。

 

大洗水族館でのフォトウェディングに。


赤や水色のバラ、カスミソウはプリザーブド、上側の胡蝶蘭や周囲の小花は造花です。

 

ただし、丈夫さでいうとアーティフィシャルフラワーほどではなく、ぶつけたり落としたりすると花弁が折れてしまいます。

七五三のボールブーケも、3歳の場合はアーティフィシャルフラワーを、7歳ならプリもOKという形でおすすめしています。



3 生花ブーケが向いている場合

当日の空気感、生気、みずみずしさ、香りを大切にしたい場合には生花です。

なによりも生花には香りがあります。
チャペルのドアが開く前、ヴェールの中でブーケの香りに励まされたという花嫁様は少なくありません。

香りは記憶になり、かけがえのない思い出になって残ります。

 

左は生花の、右はプリザーブドとアーティフィシャルフラワーの、バラのラウンドブーケの写真です。

何度も繰り返しますが、写真では見分けがつきません。

プリや造花なら、長くそのままでとっておけますが、


生花のバラの芳香が忘れられないという花嫁様もまた多し。


  • 花の瑞々しさを重視したい

  • 「その日、その瞬間」を大事にしたい

という花嫁様におすすめです。

生花ブーケは、実は率直にいってあまりメリットがありません。

制作はもとより、生花の咲かせ具合も仕入れも、持って行くまでの保管も配送も、すべての段階に手間がかかります。

重さもあり、長く飾っても1週間ほどで水換えも片付けまでも必要です。

しかしそれらの欠点をたったひとつ、生きているという事実だけで、くつがえすほどの、力があります。

なぜ生花に惹かれるのか。

 

それは、

生きている私たち自身を、その中に見るからだ。

 

それが生花ブーケを作って26年、今、自分がたどりついた答えです。

わずか数日で咲いて生ききるその姿が、

今日も欠点だらけでまた生きようとする自分を、

無言で叫ぶように、励ますからだ、と思います。


常日頃、生花ブーケを作っていると、

とくにアーティフィシャルのブーケは簡単で手間がかからずとても楽です。

自分の作るアーティフィシャルフラワーは生花のようだと驚かれることが多いのですが、それは生花を作っているのでゴールが解るからだと思います。

 

まとめ 比較は「正解探し」ではなく「相性探し」

生花・アーティフィシャル・プリザーブドは、
どれが正しい、という話ではありません。

ブーケを持つご自身との相性の違いです。

誰かにとっての正解が、自分にとっての正解とは限らない。

ぜひそれぞれの特徴を知って、肉眼で見たり自分で触ったりして、ご自身の肌感覚で選ぶことをおすすめします。

なぜなら、ウェディングブーケは、結婚式の中で
花嫁が一番長く、近くで触れる花です。

どの素材を選ぶかで、
当日の感じ方も、
あとからの思い出も変わります。

 

かつ、ブーケの予算の幅は、ほかの装花にくらべてそれほど大きくはありません。

5000円〜10000円の差で、選べる素材やデザインが大きく違ってきます。

その割に最初から最後まで一番目立つ場所にあり、

また一番大きくアルバムに残る花です。

たとえばウェルカムスペースやケーキ装花といった限られた時間だけ使う花を

1万円アップするより、ブーケに予算をかけたほうが、コスト対効果は高い、と思います。


このあたりのブーケや装花の予算のお話はまた今度。

では今日もお疲れ様でした。