卒花嫁様 帝国ホテル バラとマトリカリアとかすみそうのブーケ と演説

 バラのラウンドブーケ 帝国ホテルの卒花さまより マトリカリア

昨日のブーケの花嫁様から、その日の夜に、メールをいただきました。

 

 

・・・・・・・・・・・・

岩橋様

 

今日はブーケとブートニアを

届けて頂きありがとうございました

 

思い描いていた以上の素敵なブーケで感激しました

家族からも好評で

家族もブーケを持って撮影会してしまう程でした

 

Instagramで一目惚れした

一会さんの岩橋さんが作ってくださる生花のブーケを

今日の大切な日にお願い出来て良かったなと思いました

 

今日1日本当に幸せな気分にさせて頂きました

 

もう少し楽しめそうなので

お家に飾ってゆっくり眺めたいと思います

ありがとうございました。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

ほっと、膝をついてます。毎回似たようなことを書いていますが、本当に毎回そうなんです。

実はこのブーケも、一度作ったのに気に入らなくて、もう一度全部作り直したんです。

 

バラのラウンドブーケ。

  

そんな定番のブーケおいおい今まで何個作ったよ? 

と自分のうちなるツッコミが鳴り響くなか、 

でもなんていうか、このマトカリ(マトリカリアの略称もしくは愛称)のバランスが・・・難しーーー! 

 

真夏のブーケ。 

バラは、特にこういう丸いバラは暑さに極めて弱く、小さくなります。 

しかも市場はお盆の休場明け。 

花は揃わず競争は激しく、7時にはどこもガラガラになってました。 

3時30分に行ってギリギリセーフ。 

 

一般的に真夏というのは、生花全般にもっとも過酷な季節で、 

他の季節ほどコンディションのよい花が揃いません。 

しかもお盆明け! 

きっと、絶対、花少ない! 

  

ってことがわかってたから、 

バラなんて90本仕入れて使ったのは半分以下です。 

  

一番きれいなところを、息をとめるように作ってます。 

ええ、クチバシで羽を抜いてはたを織ってますとも。 

  

でも、それが自分にできる唯一のことだから。 

  

これでいいじゃないか、と思うときはいつもある。 

これで十分じゃないか。 

自分のやってる仕事はオーバースペックなんじゃないか。 

そこまで求められてないんじゃないか。 

もっと手数を減らして安くした方が喜ばれるんじゃないか。 

  

って、しょっちゅう悪魔が来たりて笛を吹く。 

 

でも、少なくてもフルオーダーのブーケに関しては、自分の名前を冠しているブーケだ。 

これ作り直したほうが絶対いいものができるよな、って 

わかってて、その時間も気力も体力もある(重要)のに、 

作り直さずに寝てしまうなら、 

自分が選んだ自分の仕事を、つまり、おとしめることになってしまう。 

  

自分で、自分の仕事を、ダメにしてしまう。

自分で自分の仕事を見下してしまうのだ。 こんなものだと。 

   

それを繰り返してたら、いつか、 

自分は、花の仕事が嫌になってしまうだろうし、 

花が嫌になってしまうだろう。 

  

好きなことを好きでい続ける。ということにも、 

結局、何か差し出すものが必要なんだよなあと、 

一会設立以来23年、ずっと思ってきたことをまた思う。 

  

 

一会の8月の生花レッスンは、そのまんまドライになるブーケ。

オプションでスタンド花もしくは壺花を選択可能にしています。

 

昨日レッスンに来た生徒さん、スタンド花を選んで四苦八苦してました。 

https://www.instagram.com/reel/CwM2rN6MXo0/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

はじめてだったそうで、むずかしーって10回くらい言ってた。 

「でも、いや、ツライですけど、スタンド花やるって自分で選んだんで」 。

って言う。 

それがけっこう、素晴らしい。   と思う。 

 

  

 

花の仕事をしてると周囲に言ってたら、 

ある日突然「どこそこがオープンするから開店祝いを 

送りたいから、頼める?」って言われることがあります。 

「卒業式の校長先生の横に置く、なんていうか大きな花?生け花みたいな 

枝とかどーんって出たヤツ? あれ頼める?」 

って聞かれることがあります。 

  

それは自分がセミプロだろうと趣味だろうとおかまいなく、 

花ができる人っていうくくりで、 

ある日突然、大仕事がやってくる時があります。 

  

そういう時に、思い切って手をあげて、打席にたてるかどうか、 

それが分岐点だと思う。 

 

はい、やります。 

はい、できます! 

と、挙手するのにためらう人のほうが多いのかも。 

 

そんな勇気がなくて断った、という話を聞くたびに、 

もったいないって思う。 

 

それは結局、日頃の鍛錬によるのだった。 

たとえやったことがなくっても、日毎鍛えてたら、 

思い切ってハイやります!と声を出せる。 

 

 日頃鍛えているということは、どこかそういう学んでいる場所があって、 

つまりそれなりに頼れる場所があるはずで、 

自分一人では無理だけどあのセンセに聞けばいい!と思えるくらいの 

関係性を築けてたら、自分には大きすぎるチャレンジも

 思い切ってひきうけることもできるのだ。 

  

あるいはそういう場所がなくって、単純に素振り毎日100回やってましたってだけでも、そんな大仕事がした時に、深呼吸して、  

ハイ!と胸はって打席に立てたら、 

その大仕事を乗り越えることで、おそらく、大きく一歩、前進する。 

 

 

明日あると信じて来たる屋上に旗となるまで立ちつくすべし

 道浦母都子 

 

でも、自分にそんな機会が来るかどうかはわからない。  

だからそんな修行にお金や労力を使っていいのか、ちょっと迷う。 

 

そういう気持ちもわかります。 

  

その素振りをするかしないか、が、小さく、でもだんだん大きく差になってくことも。 

  

 

だから、果敢な努力って、素晴らしいと思うのです。

そういう機会が来るかどうかはわからないけど、自分を底上げして

技量を磨いて、いつでも球がとれるようにしとく。

そういう人にしか、とれないボールがあると思う。

 

一度できた ブーケを完全に作り直す、というのは自分にとっての素振りであって、自分が最善を尽くした、間違いないと胸を張れるためにやっている。

 

 

結局目の前の仕事を、ひとつ大事にして、   

ひとつお礼をもらう。  

それしかできることはない、と思う。  

  

別の業界の人と話してたら、 

「いやでも結婚式なんだから、まあ喜ばれるのが普通じゃないですか?」という。 

それもその通り。結婚式の仕事なんて、二人は幸せなんだから、褒めてもらうのがデフォルトだ。 

 

 

 でもそういうセリフは、一度でも、正当な対価をもらったお客様から、手書きの手紙とお礼のお菓子を送ってもらってから言いたまえ。とも思う。 

 

一度でもそんな僥倖にめぐまれたら、それがどんなに有難いことが、体感できる。 

 

「いやお菓子送ったりとか、そういうことするのは、オンナノコだからでしょ?男同士とかおじさんじゃしないでしょ」って、言いたくなる気持ちも、わかる。  

ではせめて、納品後一週間以内に、こちらが何も言わないのに、お客さまからお礼のメッセージがやってくる、そういう経験を10回連続で、できてから言え。 

 

一度や2度じゃなく、毎週毎月連続でお礼をもらえるために、どれほど骨身を削るかが、わかる。 

 

デザインの仕事は、喜ばれることだけが全てで、それ以外はない。

 

  

 

 

ではみなさま今日もおつかれさまでした。 

途中からなんか何の話だったっけ?と思うものの、 

 

 お疲れ様でした!(強引にまとめるのにとてもよい八文字)